目次
・ポンカンの概要
・ポンカンの歴史
・ポンカンの品種と旬の時期
・通販取扱ブランド・産地
・フレッシュなポンカンの見分け方
・ポンカンの保存方法
・ポンカンの切り方・食べ方
・ポンカンの栄養と効能
・ポンカンの食べ合わせ
デコポンの親にあたるポンカン。みかんよりも甘味が強く、香りの良いカンキツです。
ポンカンの概要
【ポンカン(英名:Citrus Poonensis)】
ミカン科の柑橘類のことです。品種は数種類あり、店頭ではポンカンとだけ表記されていることがほとんどですが、形状によって高梢系と低梢系に分けられます。高梢形はサイズが大きく腰高で球形。サイズは150~180gくらいです。低梢系は扁平でやや小さめで果重は100~150gほどです。一般的には高梢系が栽培されているが、果実の肥大や成熟に高温を必要とするため、温暖な気候で栽培される 。しかしながら、低梢系ポンカンから早生の変異が生じ、比較的寒い産地でも栽培できるようになった。多くは12月に収穫され、その後しばらく貯蔵することによって皮の水分をとばし、果実に弾力性を持たせ、味をマイルドに調えます。 産地では食べ頃になったものから順に出荷し始めるので、12月頃から市場に出回りはじめ3月頃まで出荷が続き、出荷のピークは2月頃です。
ポンカンの歴史
ポンカンはインドのスンタラ地方が原産で、インド、ネパール、東南アジア諸国、中国南部、台湾、日本で栽培されています。ポンカンを漢字表記すると「椪柑」、または「凸柑」と書きます。ポンカンの“ポン”は原産地インド・スンタラ地方の都市ポーナ(Poona)からとったようです。“カン”は柑橘の“柑”です。ここから唐の時代の中国に伝わり、18世紀には台湾にまで広まりました。 日本には1896年(明治29年)、台湾総督の樺山資紀大将が苗木を鹿児島に送って移植したのが最初の導入と考えられています。その後も台湾等から優良な品種が導入され、温暖な地で選抜育種が進められながら鹿児島、宮崎、熊本、高知等の暖地で栽培されるようになった。
ポンカンの品種と旬の時期
ポンカンの品種は大別して2つの系統に分けることができます。
・高梢系:果形指数が120未満のもの。腰高で大果。果実の肥大や成熟に高温が必要。着色が早く酸が少ない早生種。
・低梢系:果形指数が120以上のもの。果実が扁平果で晩成型。味が濃厚。
(果実の横径÷果実の縦径×100)
それぞれの品種の一例は以下となります。おおむね高梢系、低梢系の順に出荷がリレーされます。
今津ポンカン
【品種の説明】
高梢系。愛媛県北宇和郡吉田町原産。昭和26年に高知県土佐市の今津伊勢夫氏が穂木を高接ぎした台湾の優良系ポンカン。品種登録は昭和48年(愛媛県立果樹試験場)。 1個重量の平均150~200gの大振りで果皮はやや粗いが糖度が高い。
【流通の時期】
12月~3月
吉田ポンカン
【品種の説明】
高梢系。鹿児島県垂水市原産。昭和4年に鹿児島県垂水市出身の吉田静吾氏が台湾の優良品種の穂木を同市田神の町田静介氏に送り、栽培させた品種。1個重量の平均150g~200g。締まりある皮でむきやすい。貯蔵性はやや低い。
【流通の時期】
12月~3月
F-2428
【品種の説明】
高梢系。大正末期、台湾で選抜されたもの。1個重量の平均は150~170g。玉揃いと外観が良い品種。
【流通の時期】
12月~3月
徳村ポンカン
【品種の説明】
高梢系。高知県東洋町甲浦の徳村茂隆氏が昭和12年頃から栽培された品種。1個重量の平均は120~180g。他の品種より着色が遅い。
【流通の時期】
12月~3月
太田ポンカン
【品種の説明】
低梢系。静岡県清水市庵原町にて太田敏雄氏が昭和7年に伊予柑を中間台木として高接ぎした「庵原ポンカン」。この枝変わりとして発見されたもの(昭和22年)。品種登録は昭和58年(清水市農業協同組合)。 1個重量は約150g。一番の特徴は種の少なさ。その他に果皮はなめらかで薄いのが特徴です。
【流通の時期】
12月~3月
森田ポンカン
【品種の説明】
低梢系。高知県須崎市浦ノ内にて昭和30年頃に森田可笑氏が低梢系ポンカンの枝変わり種を発見。品種登録は昭和56年。1個重量の平均は100~150g。外観はみかんに類似。表面は粗い傾向にある。色は濃くポンカンの中では酸味が強い。味は濃厚。貯蔵性に富む。
【流通の時期】
12月~3月
通販取扱ブランド・産地
徳村ポンカン
上記の”ポンカンの品種と旬の時期”参照。
【生産地について】
高知県室戸市のポンカン農園。標高160メートルで海を南西に面した傾斜の台地にて栽培しております。該当の農園比で硝酸値が低く、後味に特徴有り。ポンカンの積算温度(※)は約3,000℃と言われているが、当社の産地では約4,500~5,000℃で、越年して1月中旬より樹上完熟にて収穫。
(※)開花してから成熟されるまでに必要とされる気温を積算した値
フレッシュなポンカンの見分け方
【ポイント】
へたの切り口が小さく、果皮の色が濃く張りのあるもの。また、形が扁平で果皮にみずみずしさがあり、果汁が多く含んだ重量感があるもの。ポンカンは皮と果肉の間に隙間ができる浮き皮という状態になりやすいですが、フカフカしすぎているものは水分が少なく食味が悪いことがあるので、避けたほうがよいでしょう。
ポンカンの保存方法
【ポイント】
風通しが良くて湿度がやや高く、涼しい場所(3~5度が適温)で保存するのがベストです。但し、通常この条件に合った環境は難しいので、涼しくて通気性のある場所で保存することを心がけてください。
箱で購入した場合、腐ったポンカンがあれば排除し、ふたを開けたまま保存します。
また、つぶれやすい下のものから食べるようにしましょう。日持ちは、7~10日ぐらいが目安です。
ポンカンの切り方・食べ方
【ポンカンの食べ方】
みかんと同様に、ポンカンのヘタを下に向けて、みかんを両手に乗せ片方の親指を表皮に食い込ませて両手に均等にゆっくり力を加えて、実を半分に割ります。このときヘタ部分まで完全に切り離さずに半分になった果実部を同様に半分に割ります。4分割された小胞は、ヘタの方から剥ぎ取るように表皮から離してください。反対方向から外すと白いスジが残ります。スジが気にならない人は食べやすい大きさにして、そのまま食べます。袋やスジは上質の繊維質ですので、できれば飲み込んでしまうのがいいです。種が少し入っているので、その場合は取り除く必要があります。
ポンカンの栄養と効能
・みかんと同様に風邪予防に
ポンカンもミカンと同様に多くのにビタミンCが含まれており、2個食べれば1日に必要なビタミンCが補えるほどです。ビタミンCは体内で免疫力を高め、感染症やガンを予防する効果があります。
・抗がん物質も含まれます
ポンカンはβ‐クリプトキサンチンという抗がん物質が含まれています。これはみかんの色を出しているカロテノイド色素で、カロテンの5倍もの抗酸化作用を持っており、ガンや老化の原因になる活性酸素を抑えたり、免疫力を強化したりします。
ポンカンの食べ合わせ
【生姜とポンカンの皮で風邪撃退】
食べ終わったポンカンの皮を適当な大きさに切り、お湯でよく洗浄し、風通しのいい場所で10日ほど陰干しして、乾燥剤を入れて密封保存しておきます。この皮に同量の千切り生姜、水を加えて約半分になるまで煮詰めます。煎じた生姜ポンカン湯は咳による咽喉の痛みや咳を抑えると云われています。ハチミツを加えると飲みやすくなります。