みかんの栽培に必要な積算温度を誇る高知県
グローバルフルーツの中条です。
本日は、
・なぜ高知県の”みかん”なのか
・積算温度とは
についてまとめます。
みかんの3大産地
みかんの収穫量3大産地は思い浮かびますでしょうか。
2015年のデータでは以下の通りです。
(カッコ内は全国収穫量に対するシェア)
1位 和歌山県 (20.6%)
2位 愛媛県 (15.5%)
3位 静岡県 (13%)
(引用:農林水産省の2015年データ)
高知県はというと、19位でシェア0.9%です。
しかしながら、みかんの栽培に適した地域なんです。
みかんの栽培に必要な環境条件
みかんに限らず、農作物それぞれに栽培に必要な環境条件があります。「平均気温」、「最低気温が△度を下回らない」、「日照が▲時間必要」、「水はけのよい土壌」など。
その中の一つに「積算温度」があります。
積算温度とは
積算温度は、農作物の生長から収穫までに必要な温度の目安です。そのため、ある地域でこれまでに作ったことのない農作物の栽培に適しているかの判断指標として使われます。
必要な積算温度は農作物毎に異なります。
積算温度の算出方法
積算温度とは、一定期間に渡り、基準温度を超過した分を取り出し合計した値のことを指します。数式にすると以下となります。
みかんの積算温度を算出する際、基準温度は10度とされています。
以下に積算温度算出の一例を示します。
[基準温度]
10度
[期間]
3月1日~3月3日
[期間中の1日毎の平均温度]
3月1日:9.5度
3月2日:10.3度
3月3日:10.5度
[積算温度]
( 10.3 – 10 ) + ( 10.5 – 10 ) = 0.8度 (※)
(※)3月1日は10度を超えていないため計算には含めない
積算温度が影響するのは開花から収穫までといわれています。みかんの樹の花が開花する時期は一般的に5月上旬。地域差がありますが収穫時期は9月末。以降で積算温度を算出する際は上記期間を対象とします。
積算温度の比較
収穫量3大産地に高知県を含めた合計4地点で積算温度の比較を行います。
積算温度に使用したデータは以下となります。
・気象データに関して
【引用した気温データ】気象庁 過去の気象データより
【計上年】1970年から5年おき (2015年まで)
【対象地点】高知、和歌山、宇和島(愛媛県)、浜松(静岡県)
・積算温度算出に関して
【基準温度】10度
【期間】各年の5月1日から9月30日まで
以下に積算温度の算出結果及びグラフを示します。
※ 下表をクリックすると拡大します。
※ 下グラフをクリックすると拡大します。
【考察】
・積算温度に関しては和歌山ないし高知が1位。
・収穫量上位3傑と積算温度がほぼ比例している。
・約40年で温暖化とみられる全体的な気温の上昇が見て取れる。
みかんの収穫量が多い地域に勝るとも劣らない積算温度を誇る高知県。つまり、みかんの栽培に適しているということになります。ご理解いただけましたでしょうか。
高知県で栽培されているかんきつ類
高知県では他にも多くのかんきつ類が栽培されています。高知県で栽培されているみかん以外のかんきつ類を以下に列挙します。
・河内晩柑
・金柑
・不知火
・スダチ
・せとか
・ダイダイ
・南津海
・八朔
・はるか
・はるみ
・はれひめ
・日向夏 (収穫量 全国2位)
・文旦 (収穫量 全国1位)
・ポンカン (収穫量 全国3位)
・ゆず (収穫量 全国1位)
・レモン
(引用:農林水産省の2015年データ)
その数、16種。結構あります。
こういったところからも、みかん(かんきつ類)の栽培に適している地域であるということができます。
[補足] 降雨量も多い高知県
農作物の栽培に欠かせない水(雨)。高知県は上記に挙げた4地点の中で群を抜いて降雨量が多い地域です。以下をご覧下さい。
※ 下表をクリックすると拡大します。
【注釈】上記降雨量は、積算温度の算出期間である5月1日から9月30日の間で計上しています。
4地点の中で高知県がすべて年で降水量1位となっています。
農家さんにとって頭を悩ませるところです。弊社の契約農家さんの農園は水はけのよい立地ではありますが、それでも収穫前に雨が多いと食味に影響が出て参ります。なぜなら降雨によりそれだけ果実が水分を吸い、結果的に甘味が薄くなります。
本ブログを投稿した2018年に関しても収穫前に雨が多かったため、弊社通販サイトでの取り扱い開始時期を見計らっております。幸運にも、先日取寄せたサンプル品では糖度13度を記録。間もなく取り扱いが出来そうです。