マンゴー出荷の一苦労
グローバルフルーツの中条です。
本日はマンゴーの出荷時の一苦労をご紹介します。
実は大変なんです。
国産と輸入のマンゴーの違い
マンゴーに限らずですが、果物には食べ頃を見極める必要のあるものがあります。その一つがマンゴーです。
マンゴーといっても国産と輸入で異なります。
国産と輸入で大きく異なるのが、輸送時間です。国産の場合は収穫から市場流通まで時間を要さないことは想像がつくかと思います。
輸入の場合、
収穫
↓
パッキング
↓
空港や港まで輸送
↓
輸出手続き
↓
輸送
↓
輸入手続き
↓
輸送
↓
弊社に到着
の流れを経ます。
つまり、国産は食べ頃に近い状態で収穫しても問題ありませんが、輸入のマンゴーは輸送時間を考慮して食べ頃からかなり手前の状態で収穫する必要があります。
マンゴーの特性
ここからは輸入マンゴーに関してです。
食べ頃のかなり手前の状態であるため、食べ頃に近づけないと食べることができません。
食べ頃に近づけるために「追熟」を行います。簡単にいえば熟成させることです。
収穫された後もマンゴーは生理的な活動をしてるんです。(他の果物も同様です)
そもそも、この追熟が難しいんです。追熟は
「一定の温度(マンゴーではおよそ25度)と程よい湿度の条件下で保存」
をすることでマンゴーが熟成されます。
熟成するとどのような変化がみられるのか。
果皮
マンゴーは最初は濃い緑色の果皮ですが、それが徐々にマンゴー固有の色に変わっていきます。
果肉
果肉にかんしては硬い状態から徐々に柔らかい状態に。
香り
品種にもよりますが、香りがでてくるものもあります。
しかしながら、すべての個体が食べ頃になるわけではありません。食べ頃にならないのは主に以下の2つがあります。
・食べ頃にならない
・病気になる
順に説明致します。
食べ頃にならないマンゴー
まずは「食べ頃にならない」についてです。
これは、どれだけ追熟環境を一定に保ったとしても、果皮は緑のままで果肉もそれほど柔らかくならないという状態です。
なぜこのようになるのか。
これは推測ですが、おそらくマンゴーを収穫するタイミングが早いことが原因かと思われます。収穫が早かったことで、追熟するための生理的な働きができないのだと思われます。こういう個体は初見でおおよそ見当がつきます。その一例(メキシコマンゴー)はこちら。
※ 追熟前
※ 追熟後
一目瞭然ですよね。追熟後写真の一番下の列の緑色のマンゴーが食べ頃にならない個体です。色の変化がほとんどないです。
病気になるマンゴー
これは「食べ頃にならない」という表現は適切ではありませんが、「通常に販売できる状態にはならない」という意味合いです。
自然の中で栽培されていますので、病気になることは当然あります。収穫後の選果にて病気の個体は選別されますが、罹患していても発病していない個体はこの時点では選別することができません(見た目に変化がないため)。
ではいつ発病するのか。
それが、追熟のタイミングであることが多いんです。
追熟段階では果物の生理的活動が活発になり、そのタイミングで発病します。
病気の中で多いのは「タンソ(炭疽)病」です。最初は小さな黒い点が徐々に大きくなり、果肉も傷み出します。
手塩にかけて追熟させたマンゴーが病気で使えなくなってしまうは残念であり、大変なことなんです。
何が大変なのか。
必要な数だけ仕入れて追熟させたのに病気で使えないとなると必要数が足らなくなるわけです。そうすると、再度仕入れる必要もありますし、お客様にお待ちいただく必要があります。
とはいえ、定期的に入荷しているマンゴーであれば随時追熟を行っていますので、それほどお待ちいただくことなく発送することができます。
さいごに
いかがでしたでしょうか。農家さんのマンゴー栽培の大変さにはまったく及びませんが、日本に到着してからも大変なことがあるんです。
本日はそのご紹介でした。
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