輸入果物8%減のニュースからみるデータと一人あたりの消費量
グローバルフルーツの中条です。
本日は海外産果物の輸入量減少からみるデータと、一人あたりの海外産果物の消費量についてです。
輸入果実 8年ぶりに減少
先日新聞に
「輸入果実 8年ぶりに減少」
の記事がありました。
実は輸入果物は年々増加傾向だったんです。
ご存知でしたか?
とくに健康志向によりバナナの輸入量が増えておりました。
そんな中、例外なく世界情勢の影響を受けて2014年以来の減少となりました。
そこで、実際にどれくらいの減少量なのか、輸入果物は一人当たり何ぐらむ消費しているのか、考察します。
海外産果物の輸入量を昨年と比較
それでは早速ですが、いつもお世話になっております財務省貿易統計からデータを引用します。
結論
2021年の輸入量(kg)は 2,016,089,761
2022年の輸入量(kg)は 1,875,135,097
※2022年データは速報値であるため、確定ではありません。予めご了承ください。
計算してみると2022年は2021年比で約93%です。
この全体量で7%減は相当な量です。
減少量は 140,954,664kg です。
この数字に近いものを探してみました。
そうすると、、、
全長300メートル、乗客定員3500名くらいの客船の重量くらいです。
説明しておきながらこんなこと言うのもなんですが、大きすぎて想像できませんね。
ご参考までにということで。
輸入果物の消費量
さて、2022年の輸入果物量である 1,875,135,097kg 。一人当たりどれくらいの消費量なのか。計算してみましょう。
算出する際の想定数値を
・日本の人口 120,000,000人 (1億2千万)
・毎日食べる前提
とすると、
1,875,135,097 ÷ 120,000,000 ÷ 365
= 0.042811304
1日あたり、わずか 42.8g になります。
この42.8gはどれくらいなものか。
バナナで考えてみるとどうでしょう。
サイズにもよりますが、バナナ1本がおよそ100gです。つまり、1日あたり、バナナ半分も食べてないということになります。日本では果物を毎日食べる習慣がありません。
そこで、参考数値として公益財団法人中央果実協会が2018年に公表しているアンケート結果をみてみます。
こちらではほとんど買わない・食べない人が約18%います。
※ 果物 食べない 割合
https://www.japanfruit.jp/Portals/0/resources/JFF/kokunai/h20chosa_siryo/30syohi.pdf
それを考慮したうえで改めて一人あたりの消費量を計算してみましょう。
算出する際の想定数値を
・輸入果物消費人口 98,400,000人 (1億2千万人の82%)
・毎日食べる前提
とすると、
1,875,135,097 ÷ 98,400,000 ÷ 365
= 0.052208907
これでも 52.2g です。バナナ半分です。
当然のことながら、国産果物もありますので、他の果物を消費されているとは思います。それであったとしても、手頃に食べられるバナナが1日あたり0.5本の消費量です。
食べ過ぎは良くないですが、関係者で構成される「毎日くだもの200グラム推進全国協議会」が毎日200gの果物消費を推奨しています。
(2023年2月時点)
その数字には足りていないのが実情です。果物をデザートだけでなく食事に取り入れることの多い海外では400g以上消費している国もあるようです。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
・輸入果物はこれまで輸入量が増えていた
・2022年は2014年以来の輸入果物の輸入量減
・日本では輸入果物を1日に50gほどしか食べていない
という実情でした。
少しでも果物消費に貢献できるようこれからも発信してまいります。